公開: 2024年4月5日
更新: 2024年8月7日
ある国の人口が減少することは、その国の市場規模が縮小することを意味します。それは、GDPの減少、すなわち、経済の衰退をもたらします。1970年代まで、日本経済が順調に成長し、拡大し続けたのは、日本の人口が増加し、そのため市場が拡大し続け、常に需要が供給を上回っていたからです。そのため、設備投資が増大し続け、労働力需要も常に供給を上回ったため、物価上昇と賃金上昇の好循環が続いたためです。
その後の20年間は、市場の慣性が働き、物価の高騰は続きましたが、1990年に入ると、人口増加が止まったため、経済は低成長時代に入りました。この間に、国際市場では円高も進み、2000年代に入ると、日本経済は人口減少と経済衰退に見舞われ始めました。その後は、人口減少はありませんでしたが、高齢化が進んだため、GDPは増加せず、経済は停滞し続けています。
人口当たりのGDPは、大きな技術革新がなければ、ほぼ一定なので、人口が増加しない限り、GDPは増加せず、人口が減少すれば、GDPも減少します。また、人口が減少し始めると、その国の中での競争が減るので、技術革新に対する要求水準も低下し、起こりにくくなります。このことが、人口の減少に見舞われている社会の経済が衰退する理由です。